大会レポート

毎年同じ梅雨の時期に行われていながら不思議なことに、これまでほぼ雨に見舞われたことがない「館山わかしおトライアスロン大会」。第6回を迎えた今回も参加者たちの漲るパワーのせいなのか、当初の雨の予報を一蹴。青空の下での開催となった。一昨年より「JTUエイジグループポイントランキング」の対象大会となったこと、昨年よりビギナー向けの「アクアスロンジュニア」と「チャレンジトライアスロン」が競技に加わったなどで層が幅広くなった総勢1100人によって熱戦が繰り広げられた。


▼今年もタテトラでトライアスロンデビューを飾る参加者多数

大会前日は会場近くの「南総文化ホール」で選手受付および競技説明会、ホール外の芝生広場では「タテトラEXPO」も行われた。都心からのアクセスが良いというだけでなく“美しい南房総の景観”“チャレンジングなコース”“各レベルに応じたカテゴリーが充実”などの理由で人気の同大会だが、今年もここでトライアスロンデビューを飾るという人が多く、講習会では講師の言葉に真剣に耳を傾ける場面が印象的だった。

気温もさることながら湿度も高いこの時期とあり、講習会では特に熱中症対策のための水分補給の重要性を念入りに説明。またビギナーに対しては安全に競技が進められるようルール、モラルに関しても重点的に語られた。その後地元の医師、看護師たちによる救護班から前日の過ごし方などについて指導。別室ではアクアスロンジュニア専用の説明会も行われ「泳げなくなったらスタッフに手で合図する」「トランジションでは身体が濡れていてシャツが着にくいので落ち着いて」などのアドバイスが送られた。なお同日、スイム会場ではスイム講習会も行われた。ビギナーは特に海で泳いだ経験がないという人が多いことで、こちらにも定員を超える参加者があったようだ。

受付と講習を受けた後、参加者はEXPOの会場に出展されたブースを巡り、備品やエナジードリンクの購入およびバイクメンテナンスなどを行った。東京・大田区から参加の渡邊祥平さんは今回のタテトラで小学生の娘、ひよこちゃんとともにトライアスロンデビュー。都心からのアクセスが良いことで2人の挑戦を見守ろうとひよこちゃんのお母さん、おばあちゃん、弟と家族総出で応援に駆けつけた。今やタテトラは、家族みんなのイベントとしても親しまれているようだ。
▼景観の美しさとボランティアの熱意が生み出すプラスアルファの魅力

大会当日は早朝から、雨の予報を微塵も感じさせない快晴につつまれた。7時より選手受付が開始され、7時45分からは45分間のバイクコース試走も行われた。その後スタートセレモニーを経てアクアスロンジュニア低学年の部から、金丸謙一館山市長の号砲により競技はスタート。今回大会のMCおよび実況は、この大会ではおなじみとなった山本淳一&白戸太朗のプロトライアスリートコンビとキャスターの片岡由衣。ゲストとしてシンガーソングライターの光永亮太も参加した。また山本、白戸、片岡はそれぞれスイム、バイク、ランを担当するかたちで競技にも参戦。スイムで山本が一般参加者を圧倒する速さを見せるなど、会場を大いに沸かせた。

アクアスロンジュニアでちびっこが奮闘を見せた後、チャンレンジトライアスロンを経て9時30分より年代別に3つのウェーブに分けられた男子スタンダード/51.5km、続いて女子スタンダード/51.5kmの競技がスタート。午後からは男子スプリント/27.75km、女子スプリント/27.75km、リレーの順でスタート。やや風が強い時間帯もあったものの早朝の水温は22.5℃とコンディションは概ね良好で、好記録が期待された。

男子スタンダードで総合優勝を飾ったのは、39歳以下が対象の第1ウェーブに出場したタテトラは初となる栗原正明さん。2位の杉山太一さんに30秒差に迫られるも、最後は出迎えた仲間とハイタッチを交わしながらの余裕のゴール。「ランではちょっと苦しかったけど、東京から近いので応援がたくさん来てくれて、それが力になった」。タイムも1分57秒13と、昨年の記録を大きく上回った。また40~44歳が参加する第2ウェーブ以降は、ゴール少し手前から応援の家族と一緒に走りゴールテープを切るファミリーランの姿も多く見受けられた。前出の渡邊親子も家族4人でゴール。記録も「3時間を切る」という当初の目標を大きく上回る2時間38分台、ひよこちゃんも無事完走し笑顔の一日となった。

女子スタンダードの優勝は、こちらもタテトラ初参戦の佐野花夏さんで2位に2分以上の差をつける圧勝。「昨年まで他の競技と重なっていたので出場できなかった。道路幅の狭いバイクコースがやや難しかったが、スイムでリードして守りきるという作戦通りのレース運びになった」。なお男子スプリントは16歳の小川颯斗さん、女子スプリントは43歳の宮川順子さん、リレーは地元の海自館山TWYチームが制覇。各カテゴリー上位のほか、表彰式では年代別トップの表彰も行なわれた。

参加者の多くが「海がきれい」「ボランティアの方々のおもてなしが暖かい」とコメントしたように、都心部で開催される大会の中でタテトラの景観の美しさ、地元ボランティアの熱意は随一。練習の成果を発揮し目標タイムをクリアするという本来の目的以外の満足感も得られることが、大きな魅力へと繋がっているようだ。それが参加者から伝わってきたのか、大会のフィナーレではトライアスロンにはこれまで全く縁がなかったというゲストの光永から思わず「来年は参戦する」宣言も飛び出した。

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